はじめまして。
毎週1回更新(が目標)のコミックバンチKai編集部ブログの
日常を綴る【最近の編集部】コーナー。
今回は第3回目です。
私は、今年の4月からコミックバンチKai編集部に配属された、
転職したばかりの編集者・MHと申します。
まだ転職したばっかりのため、恥ずかしながら皆様に
お届けできる連載マンガがまだない状態です……汗
そのため、今回は、連載準備中の作品の取材レポートをお届けします。
さて、まずはクイズですが、、、
先週行ったこの場所、どこでしょうか?
これだけだとわからないですよね…。
では次のヒントです。
キタキツネとポニー。
はい、正解は北海道でした!
とある「題材」を描くために(まだ言えないのですが)、
レンタカーを借りて、漫画家さんと、
お目当ての取材対象(建物だったり、人だったり)を
取材して走り回って、走行距離は700km超という長旅でした。
漫画の取材における編集者の役割は、
漫画の状況によってそれぞれ全然違いますが
以下のような感じだと思います。
❶「取材先のアポ取り」「宿泊先・レンタカー・飛行機などの手配」
をして、事前準備をする。
❷いざ取材旅行がスタートしてからは、作家さんのそばについて、
スケジュールを気にしながら、運転したり、案内役をしたりする。
❸取材した内容を踏まえて、
漫画家さんが希望したタイミングで随時打ち合わせ。
芸能人のマネージャーさんなども、こんな感じなのではないでしょうか。
❸については、漫画家さんが取材中に「ひらめいた!」みたいなことがあるので、
そこで記憶にフセンをつけるために、即席打ち合わせをしたりします。
なので、編集者も一緒に取材知識を吸収して、
なるべく漫画家さんと同じ目線でいようと努力する必要があります。
とはいえ、一番大変なのはもちろん漫画家さんで、
現場では、編集者はそのアテンド役、という感じです。
しかし、今回の取材旅行では、
編集者である私に端を発するトラブルが。。
上記の通り、編集者は作家さんにビタリと付いて歩くのですが、
ある取材場所で漫画家さんと取材調査を進めている時に、
私の携帯に電話が。
私「先生、すいません、ちょっと電話が」
と、席を外した私。
私「もしもし」
?「もしもし、●●さんですか? △△県警の刑事の■■です。」
私「!?」
?「実は、ある犯罪の捜査で●●さんにお電話しました」
なんと、人生で初めての「刑事」からの電話が!!
それも、よりにもよって、編集者にとっては一番忙しい瞬間ベストワンである、
漫画家さんとの取材旅行中に……!!??と、
一瞬パニックになるも、なんとか応答した私。
「刑事」は、ある犯罪捜査の一環で、今すぐ私に色々聴取したいと言います。
もちろん私に、身に覚えはありません。
(※※本当に大丈夫なので、ここで読み止めないでくださいね※※)
ともあれ今は動けません。
漫画家さんの横で犯罪捜査を受ける編集者、というのは、
他人事なら「面白いネタ」ですが、自分がそうなるなんてまっぴら御免です。
捜査を急ぐ「刑事」に今これ以上は電話できない・超多忙である旨を伝えたところ、
なるべく早く電話をしたいと言われたため、
取材旅行が終わった後、東京の空港についた直後に
次回の電話を予約して、その場を終えました。
そのあと、漫画家さんに大雑把な電話内容を伝えて、
「心配かけてすいません、ですが取材はキチンとします」と伝えて、
あともちろん身の潔白も伝えて…と、生きた心地がしない状況でした。
しかし現在は大事な取材中。
身を引き締めて取材しないと、漫画家さんにも失礼です。
ただ正直なところ、取材の工程を進める中で
時折、大好きな映画「幸福の黄色いハンカチ」(※)の光景が脳裏をよぎりつつ、
まさか自分が刑事からの電話をもらうなんて…と遠い目になったりもしました。
(※網走刑務所で刑期を終えた高倉健さん演じる主人公が、
若い男女と北海道を車で旅する名作ロードムービー映画。
車で北海道を旅するところ以外は
そんなに状況は似ていないですが、なぜかやたら浮かびました)
しかしどうにかその日の工程を終えて、宿に帰宅。
味のしない夕食を終えた後で父に連絡し、
事の次第を相談したところ、
「それ、詐欺じゃん?」
「詐欺?はて、そんなわけ…」と思い、
インターネットで刑事の発言をいくつか検索してみたところ、
まさに、「刑事からの電話 詐欺」とヒットしました。
内容は私にかかってきた自称「刑事」の電話の発言とすべて符号しています。
テンプレ通りの詐欺電話に、見事に踊らされてしまいました…。
翌朝、漫画家さんに朝食の際にオズオズと、
「昨日、お騒がせした件ですが…」というと、漫画家さんは大爆笑。
うーん、ものすごく恥ずかしい。
今にして思うと、漫画家さんとの取材中の緊張感の中で
自称「刑事」からの電話があり、慌てるあまり、
逆に「なんとか踏ん張らねば」と、ヘンな使命感を出して疑うことを忘れてしまい、
詐欺師のストーリーにのめりこんでしまった…という結果でした。
もしかしたら、非日常な物語を常に考えている編集者(漫画家さんも?)は、
詐欺にかかりやすい…?と、言い訳めいた仮説を考えましたが、
私が思い込みやすい大バカなだけのような気がします…。
皆さんはくれぐれも、気を付けてくださいね。
※2回目の電話には出ませんでした
ともあれ今回、編集者として取材に同行し、お手伝いさせていただく中で、
一作のマンガが生まれるまでにどれだけの労力がかかるかを強く実感しました。
願わくば、いつか今回の取材体験をもとにした漫画を皆さんに読んでいただき、
今回の詐欺電話も良い思い出に変えられるように、
引き続き漫画家さんのサポートを頑張りたいと思います!
長々とお邪魔しました。
(MH)