イヤホンケースを交差点で落とし、目の前で片耳のイヤホンがバスに轢かれるという漫画みたいな不運に遭った編集Mです、こんにちは。
そろそろ厄払いに行った方がいいような気もしています(笑)。
さて、自分のデスクの周りを片付けていてあるものが出てきました。
それは……。
ピンセットと写植表。
いまでは、漫画の写植(セリフなどの文字入れ)は、DTPでパソコン上で貼り込みをしてもらうのですが、自分の新人時代……15年ほど前まではまだアナログ原稿がほとんどで、写植をシール状にして原稿に直接張り込むアナログでの入稿を行っていました。
自分が当時いた編集部の場合は、入稿したアナログ原稿に写植会社がネーム(セリフ)を貼り込み、それを印刷所がスキャンして版面にして印刷…という流れになっていたと思います。
その時に使っていたのが、このピンセットと写植表。
写植表は、アナログ原稿デジタル原稿問わず貼り込みがDTPとなった今でも印刷所指定のものを使いますが、これは写植機対応のもの。
ピンセットは、セリフ位置の変更や校正で改行をするなど急場の対応をするためのものなので常に使うものではないのですが、いざというときに編集部のコピー機で縮小したり変更したりしたセリフを張り込むために使っていました。
当時の編集部には、部内でのりスプレーも常備されていて、場合によっては、上がった原稿をそのまま編集部でネームを張り込み写植会社の工程を飛ばして印刷所に入稿することも……。
そう考えると原稿の運搬や貼りこみのやり取りを全部データでやりとりできる今はだいぶ短縮ができるようになりました。
漫画家さんの原画展で、原稿の展示があるとつい写植の張り込みまで見てしまうのは職業病かもしれません(笑)。
若手編集部員のチューターをすることもあるのですが、「こういう時代もあったんだよ」ということを伝える意味もあり、いまでも持ち続けている漫画編集アイテムの話でした。
[M]